Monday, February 13, 2006

春の影

青い空に黒い星
吸い込まれて春の夢
ブラック ホールに
白い粉舞う
阿片、コカイン
散る桜

黒い雲が流れる
小粒の光が
ぽつぽつと
切れ切れに

がげろう
ゆらゆら
大地が笑う

黄色、桃色、紫の
小さな星が
野原にこぼれて

はるる、はるると
ひばりがさわぐ
食べるぞ、食べるぞ
腹いっぱい

白い飛行機が
黒い星に向かって
姿を消した
飛行機雲だけ
真っ白に残った

春の精が逝って
春の花が残り
恵みを吸った
春爛漫のカーニバル
万物は春だ、春だと
ゆらゆら踊る

春に寄せて

若草のゆらゆら萌ゆる道の辺に去年(こぞ)の形見の猫じゃらしかな

梅の蕾雪残れどもおそれずに三つ四つ五つと春風にキス

朝霧に桜の花の浮かびたる素足濡れなん春の野の原

梅一輪ウオーターボトルに海めざせば蕾ふくらむ昼のドライブ

梅一輪空に差し伸べ太平洋海のかなたの友に見せなむ

命食みまた命食み消え逝くを春の息吹と人の言うらむ

春冷えに行商の老婆たいやきを食べろと差し出す強き指かな

Sunday, February 12, 2006

朝のデッサン

枯れ木のかえでの並木道
汽車が止る

コーヒー屋から
カプチーノのたぎる音

トラックが地なり響かせ
パンの香り残して
走り出す

足早の男
コーヒー片手の女
自転車で音もなく
過ぎ去る若者
地面を見るホームレス
犬連れた老いた女
ベンチのわきに
シクラメン

前しか見ない人
戻るしかない人
足音なくした人
木の芽隠す枯れた枝

汽車がまた止った
コーヒー屋のおじさん
ふりむいて
めがねが光った
今日一番の朝日だ
おはよう!